映画『パラサイト半地下の家族』感想レビュー!富裕層と貧困層の格差社会が切ない!大大大満足だがツッコミどころも。

 

映画『パラサイト 半地下の家族』を見たので感想とレビューを書く。
パルム・ドール作品ってことで期待値高めで鑑賞してきました。

期待以上におもしろかった(´・ω・`)
ここまで無条件でおもしろかったと思える映画に出会えたのは久々です!

この映画は余計な前情報は一切ナシで見に行って欲しい。
「評判いい」「面白いらしい」程度の情報だけで観るのが1番いいと思う。

私も公式HPのあらすじくらいしか情報収集してなくて本当によかったと思ってます😌
誤ってネタバレ読んでたらここまでの衝撃は味わえなかった!!

ってことで、まだ映画本編を見てない人は感想・レビュー以降の項目は読まないように注意してね!
感想・レビューだけ読みたい人は目次から飛んでください!

 

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映画『パラサイト 半地下の家族』基本情報。

韓国のブラック・コメディ映画。監督は『殺人の追憶』『母なる証明』などのポン・ジュノ。主演はソン・ガンホが務める。
韓国では2019年5月30日に公開、日本では2020年1月10日に公開された。
第72回カンヌ国際映画祭では韓国映画初となるパルム・ドールを受賞している。

スタッフ・キャスト

監督 – ポン・ジュノ
脚本 – ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン
製作 – クァク・シンエ、ムン・ヤングォン、チャン・ヨンファン

キテク – ソン・ガンホ
パク – イ・ソンギュン
ヨンキョ – チョ・ヨジョン
ギウ – チェ・ウシク
ギジョン – パク・ソダム
チョンソク – チャン・ヘジン
ムンクァンジュ – イ・ジョンウン
ダヘ – チョン・ジソ
ダソン – チョン・ヒョンジュン
パク・ソジュン

 

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「パラサイト 半地下の家族」あらすじ

過去に度々事業に失敗、計画性も仕事もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強くあたる母チュンスク。大学受験に落ち続け、若さも能力も持て余している息子ギウ。美大を目指すが上手くいかず、予備校に通うお金もない娘ギジョン… しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“ 半地下住宅”で 暮らす貧しい4人家族だ。

“半地下”の家は、暮らしにくい。窓を開ければ、路上で散布される消毒剤が入ってくる。電波が悪い。Wi-Fiも弱い。水圧が低いからトイレが家の一番高い位置に鎮座している。家族全員、ただただ“普通の暮らし”がしたい。「僕の代わりに家庭教師をしないか?」受験経験は豊富だが学歴のないギウは、ある時、エリート大学生の友人から留学中の代打を頼まれる。“受験のプロ”のギウが向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった——。

パク一家の心を掴んだギウは、続いて妹のギジョンを家庭教師として紹介する。更に、妹のギジョンはある仕掛けをしていき…“半地下住宅”で暮らすキム一家と、“ 高台の豪邸”で暮らすパク一家。この相反する2つの家族が交差した先に、想像を遥かに超える衝撃の光景が広がっていく——。

(公式ホームページ引用 http://www.parasite-mv.jp/)

 

 

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「パラサイト 半地下の家族」感想・レビュー

2020年初見の映画にして今年1の映画に出会ったかもしれない!

話の構成、映像、演技。全てが完璧だった。
ここまで手放しで絶賛映画に出会えたのは久々。

と、最高に素晴らしかった「パラサイト 半地下の家族」。
個人的にどこら辺が素晴らしかったのか詳しく解説していきます。

以下、映画鑑賞後の感想・レビューになります。
まだ映画を観てない人はご注意ください。
尚、この映画は監督が「ネタバレ禁止令」を出しているので直接的なネタバラシはしてません。

ストーリーの構成が素晴らしい

宅配ピザの箱を組み立てる内職で生計を立てているキム一家。
ある日、長男の・ギウは、エリート大学生の友人から留学に行っている間に家庭教師のバイトを変わって欲しいと頼まれる。
IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸を訪れたギウは、パク一家の心を掴むことに成功。
続いて妹のギジョンを家庭教師として送り込む・・・。


(画像出典 http://www.parasite-mv.jp)

公式HPにあったように序盤のストーリーは、キム家がパク家に身分を偽り入り込むという詐欺行為のオンパレードでクライムサスペンスのようでした。
ブラックユーモアもたっぷり含んで笑いも生まれた前半。
打って変わって中盤からはスリルと恐怖満載のスリラー展開に突入。
そしてラストはちょっと切ない。

これだけの展開を見せられて、格差社会など社会風刺も混在させる構成力・・・・本当に感服。

格差社会を描いた社会風刺映画

韓国の格差について詳しく理解していないワタシは、キム一家がスラム街みたいな街の半地下の家に住んでいることに驚き、「警備員1人の採用枠に500人もの大卒者が集る時代」というセリフに驚いた。

一方でパク一家は、吹き抜けのある大きな家に住み何不自由なく暮らしている。
韓国ってこんなに貧富の差が激しいんだ・・・と初めて知った隣国の国民事情にも驚きました。

しかしよく考えてみれば、2018年に同じくカンヌ国際映画祭のパルム・ドールを獲得した『万引き家族』に出てきた家族を日本でよく見る家族かと聞かれればそうでもない。
しかしあんな暮らしの人たちがゼロかと聞かれればゼロでもなく、社会問題として考えなくてはいけないのも事実である。

それと同じくキム一家みたいな暮らしをしている韓国人がどれだけいらっしゃるのかは分かりません。(勉強します)
何が言いたいかというとワタシは韓国の格差社会について全く理解していませんってことです。

話は戻って、ワタシがこの映画を格差社会を描いた社会風刺映画だと思ったのは、富裕層と貧困層は決して分かり合えない存在なのだと悟ったから。

作中でキム一家はパク一家のことを「お金を持ってる人は心が豊かだ」的なことを言い、キム家の母・チョンソク(チャン・ヘジン)も自分も金があればもっと優しい心を持っていた的なことを言っていました。
それから紆余曲折があり、キム一家がパク家のリビングの机の下に隠れている間、パク夫婦は彼らがこの場にいることを知らず、キテク(ソン・ガンホ)の噂話をします。決して悪口ばかりではなく彼を認めつつも匂いが耐えられないと言うパク社長(イ・ソンギュン)。どうやら地下鉄の満員電車の匂いがするとかなんとか。

このシーンは、キム一家がパク家に忍び込んだことがバレるんじゃないかというハラハラ感と、子どもたちの前でバカにされプライドをズタズタにされたキムさんの悲しみが入りじまったなんとも言えない複雑な気持ちになった。
さらにワタシを複雑な気持ちにさせたのが、パク夫婦が100%の悪意でキムさんのことをバカにしたわけではないということ。
彼の仕事ぶりを認めつつも匂いが気になるという事実を口にしただけなんです。しかも直接言ったわけでもないしまさか聞かれているとも思っていません。

ただやっぱり富裕層の人は鈍感だなとも思います。
パク夫人(チョ・ヨジョン)は素直でいい人だけど見方によれば自己チューで鈍感。
キム家サイドが念入りな計画で出し抜いてる間は扱いやすい人物でしたが、息子の誕生日パーティーの準備中の彼女の無神経さを見て、キムさんには同情した。
そして極め付けは例の騒動が起きた時の彼らの行動。
この人たちは瀕死の貧困層に興味がないんだなと唖然とした。

ということがあり、貧困層(キム一家)と富裕層(パク一家)は決して分かりあえる存在ではなかったんだと悟りました。
どっちが善人でどっちが悪人とかいう問題ではなくて分かりあえない存在なんだと。

やはりあまりに階級が違う人同士は関わらない方がいいですね。ロクなことが起きない。
嫉妬や妬みがないと人は成長しないと思うのですが、簡単に越すことの出来ないヒエラルキーでのそれはただただ残酷。
そんな悲しい社会風刺映画でした(´・ω・`)

ツッコミどころもあった

とまあここまでいいことしか書いていませんが、ただ気になった部分もあったんだよね🤔
ツッコミマンとしてツッコマらざるを得ない場面がいくつか。

どうしても核心に触れてしまうので気になる人はクリックからどうぞ。



殴られ血を流しているギウをダヘがおぶって逃げるシーンがありました。 

あれってさ・・・ダヘに地下室の存在バレてるんじゃない!?
確か扉は開いたままだったよね?
倒れてるギウに気を取られて目に入らなかったのかな?

 

ついでにもう1つ。
ダソンは家庭教師や運転手に扮するキム一家を「みんな同じ匂いだ」と言ったり、電球の信号を解読したりしていたけど、最後まで彼が何かやらかすことはなかったね🤔
ダソンはただ観客をハラハラさせるためだけのミスリード要因だったのだろうか🙄
こんな感じで意味深だけど無意味な伏線が多かったイメージ。

 

あと、電球で信号を送るあれさ・・・あんな長い文章を送るのに何時間かかったんだろw

ってな感じで気になる点も少しありましたが、全体的には大大大大満足でした!

 

 

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「パラサイト 半地下の家族」満足度とまとめ

満足度 100点満点中90点

これは高得点をつけるしかないです。

映画の完成度としては完璧だし、その上ワタシの好み。
久々に大大大大満足な映画に出会えました。

実はワタシ。韓国映画をまともに見たことがなかったのですが、この映画のおかげで新たな領域を広げられました。
これからは守備範囲を広げて韓国映画もどんどん見ていこうと思います!
しかし韓国映画ってバイオレンス的なのが多い気がするのが気がかり🤔
『見えない目撃者』『22年目の告白 私が殺人犯です』など韓国映画原作のリメイク映画ってだいたいグロいもんなぁ(´・ω・`)

話はズレましたが『パラサイト 半地下の家族』とってもおもしろかった。
私は富裕層と無縁な庶民なのでここまで絶賛できましたが、富裕層の人の感想も聞いてみたいかも🙄
叶姉妹や前澤社長がこの映画を見たらどう思うのか・・・・気になりますw