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映画『共喰い』とは
2013年9月7日に公開された日本映画。
第146回芥川賞受賞作の田中慎弥による「共喰い」を「EUREKA」や「東京公園」などの青山真治監督と菅田将暉主演で映画化。
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スッタフキャスト
監督- 青山真治
脚本- 荒井晴彦
原作- 田中慎弥「共喰い」
音楽-山田勳生、青山真治
遠馬- 菅田将暉
千種- 木下美咲
琴子- 篠原友希子
アパートの女- 宍倉暁子
若い刑事- 淵上泰史
刑事- 岸部一徳
円- 光石研
仁子- 田中裕子

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映画『共喰い』あらすじ
昭和63年。高校生の遠馬(菅田将暉)は、父(光石研)と父の愛人・琴子(篠原友希子)と暮らしている。実の母・仁子(田中裕子)は家を出て、近くで魚屋を営んでいた。遠馬は父の暴力的な性交をしばしば目撃。自分が父の息子であり、血が流れていることに恐怖感を抱いていた。そんなある日、遠馬は幼なじみの千種(木下美咲)とのセックスで、バイオレンスな行為に及ぼうとしてしまい……。(引用元)
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映画『共喰い』のキャスト
遠馬- 菅田将暉
1993年2月21日生まれ
身長 176 cm
所属事務所はトップコート
最近レンタルで菅田将暉くんの映画よく見ますがどの作品でも雰囲気がすごい。
本作でも目つきがすごくて圧巻だった。
千種- 木下美咲
1990年7月26日生まれ
身長 157 cm
所属事務所 エヴァーグリーン・エンタテイメント
本作で初めて見ましたが難しい役どころを体当たり演技で演じててすごいな、と思いました。
今後に注目したいけど公開から5年経ってるのに特に印象に残る役がないのが悩みどころ。これからの活躍に期待します。
琴子- 篠原友希子
1981年1月21日生まれ
身長 161 cm
事務所 テアトル・ド・ポッシュ
『湯を沸かすほどの熱い愛』で安澄の実の母で難聴の酒巻君江役やってた人ね。
本作の方が前の作品だけどどちらも熱演で印象的でした。
円- 光石研
1961年9月26日生まれ
身長 173cm
事務所 鈍牛倶楽部
山口弁も上手だし最低な父親役を見事に演じてて流石でした。
仁子- 田中裕子
1955年4月29日生まれ
身長 160 cm
事務所 アニマ出版
安定の存在感。
ちなみに田中裕子さんの役で1番好きなのはもののけ姫のエボシ御前。
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映画『共喰い』感想・考察
原作の田中慎也さんが芥川賞受賞の際に言った「もらっといてやる」が印象的だった『共喰い』。
原作未読で視聴しました。
見終えての第一声はとにかく、重い。
以下の感想はネタバレを含みますので未視聴の方はご注意ください。
誰にも共感できない映画
登場人物の誰にも共感できませんでした。
境遇が希有なこともあって身近な主人公でないのが原因ですが感情移入できないということではありません。
私は遠馬と全く違った環境で育ってますが、自分がもしこのような境遇に生まれたとしたらきっと遠馬と同じような感情を持ったかもしれないです。
父の息子であり、父の血が流れていることに恐怖感を抱いている遠馬の葛藤を見ていると感情移入して一緒に身震いしたり悩んだり・・・。
同じような経験をしたことがないので共感はできませんでしたが、年端もいない少年ということもあって視聴者として応援したくなる主人公でした。

世界観が好き
舞台が昭和の下関ということでなかなかのど田舎。
でもこの世界観すごく好きです。
監督が「EUREKA」の青山真治さんなので演出が綺麗で映像的にも私好みでした。
とにかく性描写の多い映画でしたがその場面での演出の表現の仕方も綺麗だった。
1番はじめに遠馬と千種が神社でしているシーンでも壁の隙間から差し込む光とか細かい描写が芸術的で好きです。
結局、血は関係あるのか。
とても考えさせられる物語だった。
血の繋がりで人の本質は決まるのかが問われた問題作ですね。
暴力的な性行為で母親や愛人・琴子を苦しめている父の血が流れていることに恐怖感を抱いている遠馬。
私は親子だからと言って全てが似るわけないと思うし血なんて関係ないと思ってますが本作を見て考えさせられた。
血は関係ないという私の考えは変わっていませんが、間違いなく呪縛というものはあると思います。
私は遠馬が千種にバイオレンスな行為をし始めたのは『父親に似たくない』という反動から生まれたものなのではないかと思います。
父親の話など聞かされず行為も見せつけられずに育っていて同じような性癖を持つのなら「血って怖い」となりますが、母から父の話を聞かされ、また、父の暴力的な性交を見たことがあるとくれば反動を疑う。
虐待されて育った子供が我が子を虐待するようになるのと同じ心理のような気がする。
もちろん虐待された子供が全て虐待する親になる訳ではないし、DVの子供が全員DVになる訳ではない。そういった面でも私は「血は関係ない」と思ってます。
ただこの「反動」「呪縛」のおかげで遠馬は父親と同じことをしていることについて「いけないこと」だと自覚しているのが救いだと思っています。
自覚して自制する努力をすれば父親と同じ人生は辿らないと思うし最終的には父親の呪縛から解放されて妙な性癖もなくなると信じてます。
映画の終盤では千種から「あなたの手はわたしを痛めつけるためにあるのか、可愛がるためにあるのではないか」と言われるシーンもあり、千種の存在も遠馬を正しい道へと導く大きな力になると思います。
まとめ
娯楽映画とは違った少し難しい映画でした。
テンポもスローなので評価は大きく割れそう。
ストーリー的にも考えさせられる物語で見た後は暗澹とした気分になるので爽快感求める人にはオススメできないです。
私は独特の演出や間合いが好きだったので、いい映画だと思いました。
「EUREKA」の青山真治監督が好きなら見るべきです。