映画『台風家族』ネタバレ感想・レビュー!ブラックユーモアが最高で伏線回収がお見事!ラストが残念?

 

 

映画『台風家族』見てきました!

新井浩文氏の例の事件の影響で公開が延期されていた本作。

期間限定上映されるということで、急いで見にいってきた!

見終えて、お蔵入りされなくてよかったと心底思った。
心温まるコメディー映画でした。

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映画『台風家族』とは?

「箱入り息子の恋」の市井昌秀監督のオリジナル脚本で、草なぎ剛、MEGUMI、中村倫也、尾野真千子、藤竜也らが演じるひとクセある家族たちの姿をブラックユーモアを交えて描いたコメディ映画。
当初は2019年6月に公開の予定だったが、出演していた新井浩文の不祥事を受けて公開が延期され、2019年9月6日から26日まで期間限定での公開となった。

スタッフ・キャスト

監督、脚本 – 市井昌秀
製作総指揮 – 木下直哉
プロデューサー – 武部由実子、中林千賀子

鈴木小鉄 – 草彅剛
鈴木京介 – 新井浩文
鈴木麗奈 – MEGUMI
鈴木千尋 – 中村倫也
鈴木美代子 – 尾野真千子
鈴木ユズキ – 甲田まひる
佐藤登志雄 – 若葉竜也
冨永月子 – 長内映里香
山田稔 – 相島一之
満福寺さん – 斉藤暁
鈴木光子 – 榊原るみ
鈴木一鉄 – 藤竜也

 

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映画『台風家族』 あらすじ

紙袋を覆面代わりに被った老人が地方銀行で2000万円を強盗。金ピカの宮型霊柩車で逃走し、妻と共に行方をくらました。強盗事件はあっという間にニュースになったが、老夫婦の行方も、霊柩車も、奪われた2000万円も不明のまま月日は過ぎていった──。

時は流れ2018年。台風が近づくある夏の日、鈴木小鉄は妻の美代子と娘のユズキを連れて実家へと車を走らせていた。10年前に銀行強盗をして世間を騒がせた両親の葬儀に参列するためだ。葬儀といっても、死体はおろか霊柩車すら見つかっていない。にもかかわらず形式的な葬儀をする理由は、きょうだいで財産分与を行うためだった。

すっかり朽ち果てた実家に一番乗りで到着したのは小鉄たちだ。葬儀屋を併設した古びた二階建ての日本家屋、表札には「鈴木一鉄」とある。店のシャッターには「盗人」「バカ」などとペンキで描かれ、当時の記憶がよみがえる。鈴木家の居間には2つの棺桶が並び、小さな写真立てには28年前の両親が映っている。

しばらくして長女の麗奈がやって来る。麗奈は両親の事件のせいで離婚、現在つき合っている男性はいるが独身だ。ほどなく住職の萬福寺さんがやって来て、“見せかけ”の葬儀が始まり、遅れて次男の京介も到着する。兄の小鉄とはあまり仲は良くなく、小鉄が遺産を独り占めしようとしているのではないかと勘ぐっている。残るは兄姉から可愛がられていた末っ子の千尋だが、なかなか姿を現さない。葬儀開催のハガキが届いていないのだろうか……。葬儀が終わっても千尋がやって来る気配はなく、仕方なく3人で財産分与についての話し合いをすることにする。

「預金や保険も一通り調べたけど、大した額じゃないから、遺産はこの家と土地だけだ」と、いかにも長男らしく振る舞いその場を仕切ろうとする小鉄。どんな仕事も長続きしない彼にとって「遺産」という二文字は何にも代えがたいほど魅力的だったのだ。おまけに少し前、勤務中に玉突き事故に巻き込まれてむちうちになり、首にはサポーター、頭には包帯が巻いてある。何としても遺された家や土地をお金に換えたい、一番多くもらいたい、というのが小鉄の本音だ。
財産分与について話し合う最中、玄関のインターフォンが鳴る。ようやく千尋が来たのだろうか? しかし、そこに立っていたのは千尋ではない、茶髪のチャラチャラした男だった。見知らぬ訪問者によって、話し合いは思いがけない展開に転がっていく。きょうだい同士がこれまで溜めてきた想い、小鉄とユズキの間にある親子の溝、そして10年前に両親が起こした強盗事件の背景に何があったのか? 刻々と台風が近づくなか、鈴木家にも嵐が渦巻いていた……。

(公式ホームページ引用 http://taifu-kazoku.com/story/index.html)

 

 

 

以下、ネタバレを含む感想・レビューになりますのでご注意ください。

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映画『台風家族』 感想・考察・レビュー

銀行強盗をした両親が行方をくらまして10年。
時効を機に、財産分与のため集まった4人のきょうだいたち。

金に執着するクズな長男・小鉄(草彅剛)
1番ちゃんとしている次男・京介(新井浩文)
両親の事件のせいで離婚。現在独身の長女・麗奈(MEGUMI)
現在フリーターの三男・千尋(中村倫也)

この4人のきょうだいたちが遺産を巡って繰り広げるブラックコメディーがとにかく面白かった。

やはり草彅剛は演技がお上手。
元アイドルがここまでみっともないおっさん役をやるんだぁ・・・と感服だった。
前の事務所だったらイメージ的に無理だったことでしょう。

次男の京介役の新井浩文さん。
2019年2月にとある不祥事を起こしたにも関わらず、1番まともな役どころだったのが皮肉です。
ここでは不祥事については書かないでおきますが、いい役者だったのにもったいないことをした。

長女・麗奈役のMEGUMIさんは、最近ドラマや映画でよく見ますね!
演技幅が広いとは思いませんが(だいたいいつもおんなじような役な気が)、自然な演技で好きです。
本作ははまり役だったと思う。

そして、個人的に大好きな三男・千尋役の中村倫也さん。
すごくよかった。
末っ子の千尋は10年前からずっとフリーターで、現在ユーチューバーを目指す、いわゆる最近の若者。
のほほんとした雰囲気が中村倫也っぽくて、好き。

こんな感じで個性豊かなキャスト陣が構成豊かなきょうだい達を演じ、ブラックユーモアを交えながら、遺産相続を争います。

金に執着する長男と長男に遺産を渡したくない次男の争いとか、彼氏にバツイチを隠していた長女とか、遺産相続の様子を生配信しだした三男とか。
思わず吹き出してしまうシーンもあって、新しい形のホームドラマを見させてもらいましたw

後半から伏線回収

前半はブラックコメディーパートで爆笑しながら見れるのですが、後半からグッと引き込まれた。

なぜ、父・一鉄 (藤竜也)は銀行強盗をして、そのまま失踪したのか?
ゆとりユーチューバー・千尋が配信した動画をキッカケに、10年前に両親が起こした強盗事件の背景に何があったのかが見えてきます。

結論から言ってしまえば、お父さんは小鉄(草なぎさん)のために銀行強盗を行いました。
ユーチューブを見て駆けつけた女性・富永月子(長内映里香)によると、お父さんは振り込め詐欺からかかってきた電話を信じて、小鉄が交通事故を起こしたと思いこんでいたようです。
息子を助けたい一心でお父さんは、詐欺師(当時イヤイヤ詐欺会社に勤めていた富永月子)に言われた2000万円を準備しようと、銀行強盗に入ってしまったのです・・・。

父親との関係が良くなかった小鉄は、この話を信じませんでした。

しかし、信じざるおえない偶然が重なります。
小鉄は家業の葬儀屋を手伝うのが嫌で、今まで自動車免許をとっていませんでした。
しかし、大人になって一鉄に内緒で免許を取得。
小鉄の娘・ユズキ(甲田まひる)が、一鉄にそれを話てしまったことで、一鉄は小鉄が免許を持っていることを知ります。
そして小鉄に運転が出来るのか心配がっていました。
その矢先の事故の電話。これは信じてしまうのも分かります。

ユズキの証言で、一鉄が小鉄のために動いたことに信憑性が増しましたが、まだ小鉄は信じようとしません。
そんな時に、小鉄が役者の夢を追いかけていた頃、エキストラとして出演した作品がビデオテープに録画されてあったのを発見。父親からの愛情を感じた小鉄は号泣。

小鉄の気持ちを考えると、涙の溢れるシーンだった。(泣いてないですけど)

そしてさらに、失踪した両親の謎にも迫ります。

ここら辺、ミステリー好きとしては美味しい展開なんですけど、残念ながらラストに連れてどんどんリアリティーがなくなってくるんですよねぇ・・・・。

お父さんはボケたお母さんを連れてキャンプ場にいました。ここは家族の思い出の場所。
2人は川辺で転んだらしく、そのまま死んでしまったようです。
キャンプ場に駆けつけた鈴木家のきょうだい達は、白骨化した両親の死体を発見。

その日は台風が直撃していました。
鈴木家のみんなが両親の白骨遺体を発見した直後、タイミングよく2人の骨が流されはじめます。(よく10年間そこに死体ずっとあったなw)
8人は慌ててそれを追いかけて・・・といった感じで終わるんですが、ラストに近づくにつれてグダグダすぎん!?

2人は家業である葬儀屋の霊柩車でキャンプ場に向かっています。
10年間なぜ見つからなかったのか不思議で仕方ない。
そして10年間のうちに台風や豪雨は来たはず、なぜ両親の骨は今まで流されなかったのか。

この作風だから細かいことは大目に見れますが、ラストをもっと現実的に作ってたら余韻が残ったのになぁ。

成瀬
最後が残念。
でも、笑って温かい気持ちになれるいい映画だった。

 

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まとめ・個人的な評価

満足度 100点満点中70点

後半にリアリティーがあれば80点超えてました。

前半の絶妙なブラックユーモアと俳優陣の演技、後半の伏線回収と家族の絆・・・。
まさに笑って泣けるハートフルストーリーだった。

号泣できたり、衝撃的だったり、特別心に残る映画ってわけではないんだけど、見終えた後に温かい気持ちになれる、そんな映画でした。
しつこく言うが、後半にリアリティーがあれば衝撃的で特別印象に残る映画になったかもしれない。

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