映画『女王陛下のお気に入り』ネタバレ感想・レビュー・考察。エマ・ストーンの悪女ぶりにざわめく。ラストシーンの意味は?

 

2019年アカデミー賞で最多10ノミネートされている『女王陛下のお気に入り』見てきました。

賛否両論の別れるのも分かる出来でしたが、わたしは好き。
女のドロドロとした愛憎劇は昼ドラのようで心がざわめいた・・!

映画『女王陛下のお気に入り』とは?

2018年に公開された、アイルランド・アメリカ合衆国・イギリスの合作の歴史・コメディドラマ映画。
主演はオリヴィア・コールマンで共演にレイチェル・ワイズ 、エマ・ストーン。
第91回アカデミー賞で最多10ノミネートをたたき出した話題作である。

スッタフ・キャスト

監督 – ヨルゴス・ランティモス
脚本 – デボラ・デイヴィス、トニー・マクナマラ

アン女王 – オリヴィア・コールマン
アビゲイル・メイシャム – エマ・ストーン
サラ・チャーチル- レイチェル・ワイズ
ロバート・ハーレー – ニコラス・ホルト
サミュエル・メイシャム – ジョー・アルウィン
ジョン・チャーチル – マーク・ゲイティス
シドニー・ゴドルフィン – ジェームズ・スミス
メイ – ジェニー・レインズフォールド

成瀬
オリヴィア・コールマンは上手いし、絶賛されるのも分かる演技だった!
レイチェル・ワイズもエマ・ストーンも流石でした。
とりあえずエマ・ストーンが綺麗すぎて見惚れた。

 

『女王陛下のお気に入り』あらすじ

時は18世紀初頭、アン女王(オリヴィア・コールマン)が統治するイングランドはフランスと戦争中。アン女王の幼馴染で、イングランド軍を率いるモールバラ公爵の妻サラ(レイチェル・ワイズ)が女王を意のままに操っていた。
そこに、サラの従妹だと名乗るアビゲイル(エマ・ストーン)が現れる。上流階級から没落した彼女はサラに頼み込み、召使として雇ってもらうことになったのだ。
ある日、アビゲイルは、痛風に苦しむアン女王の足に、自分で摘んだ薬草を塗る。サラは勝手に女王の寝室に入ったアビゲイルをムチ打たせるが、女王の痛みが和らいだと知り、彼女を侍女に昇格させる。

イングランド議会は、戦争推進派のホイッグ党と、終結派のトーリー党の争いで揺れていた。戦費のために税金を上げることに反対するトーリー党のハーリー(ニコラス・ホルト)は、アン女王に訴えるが、ホイッグ党支持のサラに、女王の決断は「戦争は継続」だと、ことごとく跳ね返される。
舞踏会の夜、図書室に忍び込んで、蝋燭の灯りで本を読んでいたアビゲイルは、ダンスホールを抜け出して突然駆け込んできたアン女王とサラが、友情以上の親密さを露わにする様子を目撃してしまう。
国を動かす二人と最も近い位置にいるアビゲイルに目を付けたハーリーが、アン女王とサラの情報を流すようにと迫るが、アビゲイルはキッパリと断る。アビゲイルはそのことをサラに報告するが、褒められるどころか「双方と手を組む気かも」と探られ、空砲で脅されるのだった。

アビゲイルはサラが議会へ出ている間のアン女王の遊び相手を命じられるが、女王は「サラは国家の仕事より私を優先させるべき」と駄々をこねる。アビゲイルは、女王の亡くなった17人の子供の代わりだという17匹のウサギを一緒に可愛がり、上手く女王をなだめるのだった。
アビゲイルはサラの信頼を徐々に勝ち取り、女王のお守役を務める機会が増えていく。いつもストレートに物を言うサラに対し、甘い言葉で褒め称える従順なアビゲイルに女王は心を許していく。
議会では、トーリー党が激しく抵抗して増税を食い止める。女官長に就任して以来、初めてその権力に翳りが見えたサラに、今度は女王との関係を揺るがす大きな危機が訪れる。それは、いつの間にか野心を目覚めさせていたアビゲイルの思いがけない行動だった──。

(公式ホームページ引用 http://www.foxmovies-jp.com/Joouheika/)

 

『女王陛下のお気に入り』感想・考察

女の争い系の話は大好きなので大満足でした。
救われない気持ちになるラストシーンも哀愁があって好みだった。

ソロで観に来ていた隣のおばさまは寝ていたので、好き嫌いが分かれる映画なのかもしれないです。

※以下、映画鑑賞後の感想になります。未鑑賞の方はネタバレご注意ください。

孤独なアン、女王を影で操るサラ、野心に燃えるアビゲイル

主演はオリヴィア・コールマンなので女王が主人公ということになると思う。
しかしこの映画は誰が主演か分からないほどの演技合戦で、アン、サラ、アビゲイルの3人それぞれに個性があり、物語に引き込まれた。

私の中の主演はエマ・ストーンだった。
冒頭ではかわいそうな身であったものの、いつの間にか野心を抱き、サラを蹴落とし出し抜こうとしているアビゲイルの悪女ぶりを見ていると気分が昂揚した。
こういった貪欲な悪女は醜くもあるけど人間らしくて好きだ。

一方で、影で女王を意のままに操るサラ
女王の幼馴染で寵愛を受けていたといえど、男性社会である18世紀で男性と対等(それ以上)に渡り合っているのはかっこよかった。
そんなサラですが、本当にアン女王を愛していたのでしょうか?

アンは、ストレートに物を言うサラに対して甘い言葉で褒め称えてくれる従順なアビゲイルに惹かれていきます。
ですがサラが言うには【アビゲイルは嘘つき。自分が本当のことを言うのは愛の証】らしいです。

アビゲイルが甘い言葉で女王の心を掴もうとしているのは間違いありませんが、サラが女王を心から愛していたのかは謎である。
もちろん幼馴染で夜のお供もしていたくらいなので愛はあったと思う。しかし、結局のところサラもアビゲイルと同じなのではないかと。
アンがアビゲイルを気に入ってることを知ったサラは『嫉妬している』というよりも『気に入らない』といった感じで、アビゲイルに女王の寵愛を取られるのを恐れていると感じだった。

サラもアビゲイルもアン自身を愛している訳ではなく、女王から寵愛を受けることが目的だった。
そうなるとアンは本当に孤独でかわいそうな女王である。

しかし結局アンも自分が1番好きなのではないかと感じた。
国を統治する立場でありながらサラに丸投げ。決定権は持っているもののサラに操られている。
国が戦争か和平か揉めていても職務で忙しいサラに構ってもらえないことで拗ねるなど、とても国のことを思ういい女王とは思えなかった。

成瀬
結局は3人とも自分が1番だいじ

ラストシーンの解釈

私はハッキリと終止符を打つ映画よりも余韻の残るラストが好きなので満足でした。

ラストシーンで女王はアビゲイルに足をマッサージするように命じます。
アビゲイルはベッドに横になるように勧めますが、女王は「私は女王、指図はするな」と言い放ち、拒否します。
そのままマッサージをするアビゲイル。立ったままの女王は身体を支えられず、アビゲイルの頭に手を置いて身体を支える。
そしてそのままフェードアウトしエンドロールへ。

アン、アビゲイルの表情を見る限り、2人には不穏な空気が漂っておりとてもハッピーエンドな終わり方ではない。

ラストシーンの直前で、アビゲイルは女王が大切にしていたウサギを踏みつけていた。
これを目撃していた女王がアビゲイルの本性に気づきご立腹ということはみなさん感じていることかと思います。

わたしの解釈では、アンは「私は女王、指図はするな」と言い放ったことで威厳を取り戻したと感じている。
サラに操られていたアンが『自分自身で考えること』を思い出した瞬間にも思えた。
『戦争か和平か』の決断をするのはサラでもアビゲイルでもなく女王であるアンであって欲しい願望でもある。

アビゲイルの頭に手を置いて身体を支えたのは、アビゲイルがウサギにしたのと同じように力関係を示したのではないかと。

成瀬
この終わり方は重い・・・・見終えた後は虚脱感が。

ウサギの存在

『女王陛下のお気に入り』というタイトル。
最初はサラとアビゲイル、2人の女王陛下のお気に入りが女王の寵愛をかけて争う映画かと思ってました。
が、そんな軽い映画ではなかった・・・・!

女王陛下の『お気に入り』とは

  • サラ
  • アビゲイル
  • うさぎ

のことかと思っています。
中でも1番のお気に入りはうさぎ

アンがアビゲイルを気に入ったキッカケもウサギにあります。
ウサギを「子供たち」と呼ぶアン。
そんなアンのウサギに対する愛を理解できない様子のサラは子供たちを「ウサギ」と呼び、興味がなさそうでした。
しかしアビゲイルはアンの大切なウサギに興味を示し、アンが亡くした17人のこどもたちについても耳を傾けます。

女王陛下の1番のお気に入りはウサギで、アビゲイルは女王陛下の1番のお気に入りをいじめた。
あの不穏な雰囲気のラストシーンでのアンの表情にはそういった悲しみが込められているのではないかと思っている。

成瀬
お気に入りでなくても、ウサギ踏むのは引くわ・・・・
アビゲイル推しるけど動物虐待はダメ絶対!

笑いのセンスは皆無

FOXサーチライトと「ロブスター」監督が組んで、オスカー級の女優が集結。
『固そうに見せかけて実は笑える!』というのがこの映画の売りのようですが、コメディ要素は全く感じなかったです。

笑いのツボの違いもあるのでしょうが、ジョークがイマイチわからず、本当にどこらへんがコメディだったのか教えて欲しい。

苦笑したシーンならいくつかありましたが、それらのことをコメディ要素というならこの映画と私は笑いのセンスは合わないようです・・・・。

 

まとめ

評価 ★★★★☆(星5つ中4つ)

限りなく100点に近いです。コメディ部分がわたしには分からなかったので★4つにしておきます。

ストーリーはもちろんのこと、豪華なセットが素晴らしかった。
感想と考察を書き綴っておきながらこんなこと言うのもなんですが、18世紀初頭の英国の雰囲気を楽しむだけでも見に行く価値はあるかと思います。

実際の歴史に基づいた話ということで「歴史の裏にこんなドロドロな愛憎劇認めたくない!」なんて思う人もいるかもしれないですが、散々歴史物の二次元漫画やアニメを見てきたのでわたしは全く抵抗なかったですw
まあ確かに側近(サラ)に操られて「戦争継続」を選択している女王なんて嫌だけども、ラストシーンで女王は威厳を取り戻したと解釈しているのでそこら辺も許せました。

ドロドロ系、昼ドラ系、悪女モノが好きな人ならわたしと同じ感想を持ってくれたんじゃないかと思います・:*+.\(( °ω° ))/.:+