映画【彼女がその名を知らない鳥たち】感想・考察。ミステリーであって恋愛映画。

 

ユリゴコロの沼田まほかるさん原作の映画『彼女がその名を知らない鳥たち』見ました!
ユリゴコロより話の内容はこっちの方が好み。

 

予告見た時から気になってて面白そうだと思ってたのですが、期待通りでした!

蒼井優の演技力流石すぎるし、こんなクズな竹内豊と松坂桃李はじめて見たし、新たな恋愛観を見せられました。
この映画はミステリーであって恋愛映画だと思います。

ネタバレなしで語れる気がしないので記事本編で感想書きます。

未視聴の方はネタバレ注意でお願いします。

 

映画『彼女がその名を知らない鳥たち』とは?

2017年10月28日に公開されたの日本映画。R15+指定作品。
監督は「日本で一番悪い奴ら」「孤狼の血」などの白石和彌
原作は「ユリゴコロ」などの沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち」

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スタッフ・キャスト

原作:沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち」
監督:白石和彌
脚本:浅野妙子

キャスト
北原十和子:蒼井優
佐野陣治:阿部サダヲ
水島真:松坂桃李
國枝カヨ:村川絵梨
刑事・酒田:赤堀雅秋
野々山美鈴:赤澤ムック
國枝:中嶋しゅう
黒崎俊一:竹野内豊

 

あらすじ

十和子は言い知れぬ欲求不満を抱えながら毎日を過ごしていた。同居人である陣治が何の取り柄もない野卑で不潔な男であり、僅かばかりの給金すら貰えれば後は顔も見たくない存在だからだ。十和子はかつて恋仲であった精悍な男・黒崎を思い出しては嘆息を洩らすのだった。

そんなある日、故障してしまった思い出の腕時計について十和子がクレームをつけたデパート社員・水島が、詫びの品をもって家を訪れる。頑なな態度を崩さない十和子に、水島は濃厚な接吻を与えその心をとろけさせた。情事を重ねてか家を頻繁に空けるようになった彼女を叱りに、姉である美鈴がやってくるが、あくまで陣治は十和子をかばい続け美鈴に呆れられた。特に黒崎とよりを戻したかと疑う美鈴に、陣治は「それはあり得ない」と力を声にこめた。

そして、同じころ十和子は刑事の訪問を受け、黒崎が5年も前から失踪していると聞き驚く。真相を知りたくて黒崎の妻に会いに行く彼女は、そこで意外な人物と顔を合わせる。国枝というその老人は十和子を以前慰み者にした男だった。実力者である国枝の後ろ盾を得るべく黒崎は十和子を貢物として捧げ、その結果国枝の姪を花嫁に迎えた…そんな過去の記憶が十和子の胸によみがえった。思い出したことはそれだけではない。黒崎と別れた彼女が帰宅すると、陣治が「会社で殴られた」といって血に汚れた衣服を洗っていたのだ。

何か謎がある。戸惑う十和子は一方で水島の態度のよそよそしさに気づく。彼もまた十和子との関係を遊びとしか思っていなかったのだ。そんな裏事情を尾行によって得ていた陣治は、十和子に「また」えらいことになってしまう、と水島と手を切るように訴える。だが、十和子は陣治の言動に反発し、何かに憑かれたかのように水島に会いに出かけるのだった。陣治はなにを知っているのか。そして十和子が忘れてしまった事実とはなんなのか。(ウィキペディア引用)

 

【彼女がその名を知らない鳥たち】感想・考察

「あなたはこれを愛と呼べるのか」

「このラストはあなたの恋愛観を変える」

というキャッチコピーで気になっていた映画でしたが、見事に感動した。

恋愛観は特に変わってませんが、ラストシーンは感動したし1つの愛の形だと思います。

陣治の恋愛観

結論から言わせてもらうと、このラストはハッピーエンドだと思ってる。

後味が悪い作品と言われていますが、私はそうとは思っていない。

十和子のモノロローグ

「陣治、たった一人の私の恋人」

で映画は締めくくられるわけですが、この一言で私は救われた気持ちになった。

死別してしまったものの、それは陣治が選んだことだし彼を嫌悪し蔑んでいた十和子が全てを思い出してやっと分かり合えて、いい終わり方だったと思う。

陣治はいろんな面で自分を犠牲にして十和子に尽くしてきましたが、最後には十和子のために命まで投げ出す。

この恋愛観はとても真似できないし共感も出来そうにないですが、そこまで誰かを愛してただその人の幸せを願うことができるのって、素晴らしいことだと思います。

ミステリーとしても面白かった

この映画はミステリー映画ですが、私は恋愛映画だと思ってます。

ですがミステリー要素もなかなか面白く、陣治が黒崎を殺した方法を十和子が解き明かすものかと思いきや、まさかの十和子が殺人犯。

思ってみれば、陣治が汚れた作業着を洗っているところを見た十和子が「前にもこんなことあった?」と聞いたり
伏線もちょくちょく貼ってありました
黒崎を殺したのは陣治としか思っていなかったので謎が解けた時は爽快感。

クズな男たちのオンパレード

竹野内豊演じる黒崎俊一、松坂桃李演じる水島真、共に最低なクズ男でした。

絵に描いたような女性の敵。

特に竹野内豊演じる黒崎はクズ中のクズで、十和子が黒崎を殺したくなる気持ちもわかるほど。

黒崎は仕事出来る風な男に見せかけて全然ダメで、将来を握られてる国枝という男と寝るように十和子に頼み、挙句の果てには国枝の姪と政略結婚する始末。
やってることえげつな過ぎて絶句でした。
十和子の気持ちを利用して、枕営業のようなことさせるなんてクズの中のクズ!

その上、別れ話の最中、十和子が別れたくないと駄々をこねると暴力をふるって十和子に怪我をさせるというクズの上にDV。もう救いようがありません。

松坂桃李演じる水島もそこそこのクズでしたが、十和子にお金をせびらないだけマシでした。
ホテル代やタクシー代を兼ねて十和子の方からお金を渡していたけど‥。
十和子にも男に騙される原因はあるような気もするけど、好きな相手にそういう態度を取ってしまうのもまたわからないでもない。

「嫁とうまく言ってない」とか言いながら家族で焼肉食ってた男だからな。
騙される十和子にも原因があったとしても水島がクズなことには変わりがない。

ですがこういう不倫が1番ゲスだと思います。
「運命でこうなることは決まっているんだ」と十和子をますますその気にさせるような言葉を囁いておいて嫁と別れる気はゼロ。
奥さんも不倫相手も傷つけてるし、一時の気の迷いなどなら「男の甲斐性」と言える浮気なのかもしれませんが、不倫相手にテキトーに無責任な愛を囁くな。クズ男。

蒼井優と松坂桃李のベットシーン

松坂桃李さんって濡れ場演じること多くないですか?

『娼年』で散々見たので、正直「え、またかよ」という感じでした。

しかもこの映画内でもベットシーンが多いw
これでもかというくらい蒼井優と松坂桃李のベットシーンが流れます。

松坂桃李演じる水島は不倫ということなので、十和子のことを性欲の対象としてか見てなかったことがわかりますね‥。
何が「運命でこうなることは決まっていたんだ」だよ。刺されたのは女をその気にさせたのが悪いね。

初めから「割り切り」と言っていたのに本気になるなら女が悪いかもしれないけど、「運命」だとか言っちゃったら恨まれて刺されるのも自業自得だよー。

 

蒼井優ちゃんと阿部サダヲの演技力

蒼井優ちゃんほんとに演技うまいよね。

陣治への悪態と、黒崎・水島への態度の違い。
この演じ分けがすごいし、自然。

大阪弁のこともあり、悪態が余計に憎たらしかったです。

そして阿部サダヲさん。
本作では常に薄汚い格好の陣治を演じました。

服装や髪型、物を食べる時の咀嚼音など、とにかく汚い。
人にこんなこと言うの失礼だけど本当に薄汚いです。
そんな陣治を見事に演じきった阿部サダヲさん素晴らしいし、出で立ちや走り方まで陣治らしかった。

 

さいごに

サスペンス映画なのにラストシーンでは、「究極の愛」を見ました。
こういう愛の形もあるんだ、と思ったのと同時にとても真似できないと思ったし、あんなにも愛された十和子を羨ましくも思った。
最後は十和子もそのことに気づいて、ちょっと救われた気になりました。

最後に、舞台は大阪なのになぜ主演の二人だけ大阪弁なのかがとても違和感だった。
でも蒼井優ちゃんの大阪弁可愛かったです!