映画【母さんがどんなに僕を嫌いでも】ネタバレあり感想・考察。とにかく吉田羊の毒親がひどい。

 

まず見終えた第一の感想が「こんなひどい母親がいるのか?!」なのですがこの映画、実話を元にした話なんですよ。
びっくりすることにこういう母親は実際に存在するようです。
とても理解と共感の出来る作品ではありませんでしたが、主人公のタイジが母親との関係で悩み葛藤する場面や、友人たちや気にかけてくれたおばあちゃんとの関係などには感動できて心温まりました。

 

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映画【母さんがどんなに僕を嫌いでも】とは?

歌川たいじによるコミックエッセイを太賀と吉田羊主演で映画化。

監督は『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』『泣き虫ピエロの結婚式』などの御法川修

 

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スタッフ・キャスト

原作:歌川たいじ「母さんがどんなに僕を嫌いでも」
監督:御法川修
脚本:大谷洋介
音楽:YOSHIZUMI
主題歌:ゴスペラーズ「Seven Seas Journey」

キャスト
歌川タイジ:太賀
歌川光子(タイジの母):吉田羊
キミツ:森崎ウィン
大将:白石隼也
カナ:秋月三佳
歌川タイジ(少年時代):小山春朋 (子役)
歌川貴子(タイジの姉):山下穂乃香(子役)
真由(タイジの叔母):宮田早苗
天野(タイジの同僚):前原滉
課長:本間剛
養護施設の係員:植木祥平
タイジの父親:斉藤陽一郎
ばあちゃんの弟:おかやまはじめ
ばあちゃん:木野花

 

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映画【母さんがどんなに僕を嫌いでも】あらすじ

タイジ(太賀)は、情緒不安定な母(吉田羊)に、心身ともに傷つけられていた。17歳で家を飛び出し1人で生きていこうと決めるが、幼少期から見守ってくれた工場の婆ちゃん(木野花)との再会や、大人になって出会った友人たちの存在に励まされる。やがてタイジは大好きなのに自分を拒絶する母に歩み寄り、向き合おうとする。(引用元

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キャスト紹介

歌川タイジ役 -太賀

東京都出身
1993年2月7日生まれ(25歳)
身長 168cm
スターダストプロモーション所属
俳優、中野英雄の次男
元EBiDAN

元EBiDANなのは意外すぎました。
今まで太賀くんがガッツリ出演している作品はコメディしか見たことなかったんですけど今作で泣かされた。
真面目な太賀くんもよかった‥!

歌川光子(タイジの母)役 -吉田羊

福岡県久留米市出身
1974年2月3日生まれ(44歳)
身長 163 cm
(「起用する側に好きに年齢を捉えて欲しい」ため、生年を非公表としている)

ビリギャルであんなに理想のお母さんをやっていた吉田羊さんが毒親を演じるなんて‥ショックだったけどやっぱり吉田羊さん演技うますぎました。

キミツ役 -森崎ウィン

出生地 ミャンマーヤンゴン
1990年8月20日生まれ(28歳)
身長 174 cm
スターダストプロモーション所属
音楽ユニットPrizmaXのメンバーである。

ミャンマーで生まれ育ち、小学校4年生の時に日本にやって来た。
ミャンマー語、英語、日本語を話せるトリリンガルらしいです。語学に堪能ってだけで武器だと思うし頭いいんですね。

大将役 -白石隼也

神奈川県出身
1990年8月3日(28歳)
身長 175 cm
ホリプロ所属。

仮面ライダーウィザードで主演を演じられた仮面ライダー俳優さんです。
私は仮面ライダー見てないので『ストレイヤーズ・クロニクル』の亘役や『東京喰種トーキョーグール』西尾錦役のイメージの方が強いです。
イケメンなのでもっとドラマや映画など出て欲しいです。

カナ役 -秋月三佳

東京都出身。
1994年4月13日(24歳)
身長 165cm
ボックスコーポレーション所属。

『花ざかりの君たちへ 』や『あまちゃん』に出演してるようですが全く印象にないです。
24歳と若くて可愛いのでこれからの活躍に期待です。

 

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映画【母さんがどんなに僕を嫌いでも】感想・考察

この映画は主人公の歌川タイジが幼少時代から母から受けた心の傷を大人になって出会った友人たちによって励まされ、自ら母と向き合うという一人の青年の再生と成長の物語であると思います。
出会った友人たちがいい子たちすぎて、ついつい涙が滲みました。

タイジの過去は辛い壮大な過去でありますがいい友達に出会えて、タイジも、視聴者の私も救われた。

タイジの母親がとんでもない毒親

主人公のタイジの母親である光子は母性を持っていないようで、毒親という言葉ぴったりの母親だと思った。

私は虐待物や子供がいじめられる話が大の苦手である。
映画を見終えて直後、心温まる気持ちになるものの鑑賞中は辛い場面が多くて目を覆いたくなった。

タイジに対して殴る蹴るなどの暴力だけではなく言葉の暴力まで振るう始末。
この映画を見て身体的暴力よりも言葉で相手を傷つけることの方がダメージが強いと実感しました。

絶対的存在である母親に言葉で罵られ傷つけられたタイジのショックは計り知れない。
母からの虐待シーンは胸が痛くてとても見ていられないものばかりでした。

タイジくんの頑張り物語

この映画はとにかく主人公のタイジくんの頑張り物語だと思います。

彼は幼少期から虐待され育ち17歳から一人で生きてきました。
ちなみに父親もなかなかのクズでタイジに母親の浮気を白状させるために暴力まがいのことをされたりロッカーに閉じ込めたりと、一生心に傷を負ってもおかしくない行為をされてました。

作中では母親についてばかりで父親についての言及はなく母親との離婚後父親のことには一切触れらておりませんが、こんな最低な両親から産まれたタイジがまともな大人になれて感動であった。

この映画は実話を元にした作品ということで血や境遇で人生は決まらないということが証明されたわけでもある。

特に映画内で描かれていませんがタイジが17歳から大人になるまで大変だったことでしょう。

そして大人になりとてもいい友人たちに恵まれます。
母に歩み寄ろうと思えるきっかけを作ってくれたのは友人たち。

ここで思ったのが
なぜここでもタイジ側から歩み寄らなければいけないのか。

母と分かりあうことがテーマの1つになっているかと思えますがそれすらタイジくんの努力で成し得たことで、母の光子は何にもしていません。

何から何まで頑張ったタイジが素晴らしすぎてこれから先の人生彼にいいことしか起きませんようにと願うばかりである。

ばあちゃんがいい人すぎて救われた

父親と母親が離婚する前に父親が経営する工場で働いていたばあちゃん。
(血の繋がりはないもののタイジは彼女のことをばあちゃんと呼んでいた。)

このばあちゃんがいい人すぎて救われました。
辛いことばかりの幼少時代にこのばあちゃんがいてくれるだけでタイジと映画視聴者がどれだけ救われたことか。

17歳になり家を出た後のタイジはばあちゃんと再会することができるのですが病気で長くない様子でした。
そんな自分がしんどい時でもタイジを心配してくれたばあちゃん。

昔太っていたことと自分への自信の無さから「僕はブタだからさ」と言うタイジにばあちゃんは
「タイちゃんはブタじゃないよ」

このシーンでは泣きました。

血が繋がっている父親と母親はタイジにひどいことをするのに血の繋がっていないばあちゃんがこんなにも優しい。
タイジの幸せを無条件に祈ってくれる大人がいる、ということが唯一の救いでした。

友達がいい子たちすぎる

そんな壮絶な人生を送ってきたタイジですがいい友達に恵まれた。

趣味で始めたミュージカル舞台で出会ったキミツ、同じ会社のカナとその彼氏の大将。
この3人がいい子たちすぎて見ていて暖かい気持ちになれた。

今時こんないい子達がいるのか?というレベルでいい子達。

ミツキは初登場では嫌なやつかと思ってました。
金持ちで嫌味な男かと思いきや、まさかここまで仲良くなるとは。

光子の再婚相手の葬式に行ったタイジを迎えに来るシーンはめちゃくちゃかっこよかったです。

 

まとめ

タイジの母親が最低すぎて最後まで「ひどい女」の印象が拭えませんでしたが、いい友人たちに出会って、過去に向き合い母親へ歩み寄る姿には感動できました。
母親が死んでしまったら遅かったので、最後に関係修復とまではいきませんが、お互い歩み寄れたのはよかったことかな、と思います。

母親のタイジへの扱いが酷すぎて目を覆いたくなるシーンが多いですが、友人たちのエピソードは温かく感動するシーンもたくさんあります。

吉田羊さんは光子について『未熟な母親』と述べてました。
ここまでひどい親は珍しいと思いますが『未熟な母親』という面で見れば他人事でない親子間の話でもあるのかもしれない。
まあ母親になったことないのでわからないですけどね。

あとは太賀くんの演技力を改めて実感した映画だった。
『今日から俺は!!』『ゆとりですが何か』『50回目のファーストキス』全ての役が違いすぎてカメレオン俳優としか思えません。

ちなみに吉田羊さんも太賀くんのファンらしくて、主演が太賀くんと聞いて今回のオファーを受けたそうです。
ビリギャルから吉田羊さん大好きな私は、ビリギャルのあーちゃんとは全く違う母親役でショックを隠せなかった。けれどここまで「最低な母親」と思わせれるのも吉田羊さんの演技の力ですよね。

ということで、映画『母さんがどんなに僕を嫌いでも』。
なかなかの感動作でした。
主演のお二人の演技もいいので太賀くんと吉田羊さんのファンの方にもおすすめ。