
(ネタバレだけ感想だけを読みたい人は目次から飛んでね!)
スポンサードサーチ
ドラマスペシャル「微笑む人」基本情報
貫井徳郎による同名小説「微笑む人」を松坂桃李主演でドラマ化。
テレビ朝日系「日曜プライム」にて2020年3月1日に放送された。
スタッフ・キャスト
原作 – 貫井徳郎 『微笑む人』
脚本 – 秦建日子
監督 – 落合正幸
仁藤俊美 – 松坂桃李
鴨井晶 – 尾野真千子
井上肇 – 生瀬勝久
佐藤邦男 – 福田転球
滝沢孝一 – 田中要次
梶原敬二郎 – 阿部亮平
保坂保 – 薬丸翔
カスミ – 佐藤乃莉
鴨井拓郎 – 小久保寿人
(画像出典 https://www.tv-asahi.co.jp/hohoemu/#/?category=drama)
スポンサードサーチ
ドラマスペシャル「微笑む人」あらすじ
「本の置き場所が欲しかったからです」
妻子を殺害した罪で起訴された仁藤俊美(松坂桃李)は、公判で衝撃の動機を明かす。
1年半前、神奈川県相模原市の西北部を流れる安住川で、仁藤が妻の抄子(かんこ)と娘の亜美菜(池谷美音)を溺死させたとされる『安住川事件』――被告人の仁藤は、日本最難関の大学に現役合格し、大手都市銀行に就職。抄子と結婚後は都心の一等地にある高級マンションに住み、娘を授かるなど、エリートサラリーマンとして誰もがうらやむような人生を送っていた。そんな順風満帆な生活を送っていた仁藤が、なぜ妻子を殺害するという凶行に至ったのか…。
事件前から仁藤とは面識があった週刊海潮の記者・鴨井晶(尾野真千子)は「事件の真相を暴きたい」とデスクの井上肇(生瀬勝久)に直談判! 見事、巻頭特集を約束された晶は、仁藤の関係者に取材を続け、彼の人物像を掘り下げていく。
救急隊員が現場に駆けつけたときの状況、搬送先の病院での様子を知れば知るほど、仁藤への疑念を深めていく晶。自分が以前から知っていた仁藤と、捜査関係者から聞く仁藤、いったいどちらの姿が本当の彼なのか…。複雑な感情の波に飲まれそうになる晶だったが、やがて仁藤にまつわる衝撃の過去が明らかになり、これまでに彼に関わる何人もの人間が不審な死を遂げていたことを知る!
(公式HP引用 https://www.tv-asahi.co.jp/hohoemu/#/?category=drama)
ここからネタバレあらすじ
鴨井晶(尾野真千子)は仁藤俊美(松坂桃李)の過去について調べて行くうちに、彼に関わる何人もの人間が不審な死を遂げていることを知る。
仁藤は大手都市銀行に勤めていた。
先輩・梶原敬二郎(阿部亮平)は不自然な自殺を遂げている。
梶原は自殺するような人間ではなかった。
梶原の死後、仁藤は彼の後釜に着き昇進している。
さらに梶原は仁藤の妻・抄子(かんこ)を狙っていたという過去もあった。
仁藤に会いに行く晶。
晶は仁藤が抄子を殺したのは、梶原と抄子が不倫関係にあったからではないかと質問する。
しかし仁藤はアッサリ否定。
抄子を殺したのは「本の置き場が欲しかったからだ」と一貫して言う仁藤。
しかし仁藤は最後に、梶原が死んだあと昇進したデスクは空調の風も直射日光も当たらず快適だったと話す。
「空調の風に当たりたくなくて梶原さんを殺したんですか?」
「鴨井さんってとても素直な性格なんですね」
続いて、晶は仁藤の大学時代に交際していた女性を訪ねた。
偶然にも妻の抄子と同じ名前の抄子という女性だった。
漢字まで一致した同名なのは偶然なのか?
元カノ・抄子は、仁藤について気になる過去があると言う。
仁藤の友人がダンプカーに跳ねられて亡くなった。
仁藤は友人の死後、形見分けで入手困難なゲーム機をもらったと言って遊んでいた。
友人が死んですぐ形見のゲームで夢中になって遊ぶか?と疑問に思った元カノ。
友人の両親は仁藤に形見分けした覚えはないと話していた。
晶は仁藤が友人を殺したのではないかと考える。
晶は、仁藤と小学生時代に同級生だったという女性に話を聞くことに成功した。
偶然にも彼女の名前も抄子といった。
同級生・抄子は、義父に性的虐待を受けていた。
それを知った仁藤は彼女の義父を殺す計画を立てる。
抄子の義父は酒飲みで有名だった。
昼間から酒を飲んでいる義父をアパートの階段から突き落として殺害する。
シンプルな計画だった。
しかし仁藤は怖じ気ついて義父を突き落とすことはできなかった。
代わりに抄子が自分で義父を突き落とした。
抄子は仁藤に向かって「意気地なし」と罵った。
抄子はこの出来事から、仁藤が人を殺せるはずがないと話す。
だが、晶はこの出来事がきっかけで仁藤は殺人鬼になったと考える。
間近で殺人現場を目撃したことで、邪魔な存在は殺せばいいと考えるようになったのではないか?
早速、週刊誌にこの記事を掲載する晶。
晶は仁藤の記事が掲載された週刊誌を仁藤に見せに行く。
しかし仁藤はその記事を否定。
性的虐待をされていたのは男の子で、小学校で同級生だった抄子は、両親が亡くなって祖父母に育てられていたはずだと話す。
取材した抄子はいったい誰だったのだろう?
少年が性転換したのか?
「人って分からないものですからね。人間ってそんな単純なものじゃないんですよ。あなたの考えているように人の行動って予測できるものじゃない。あなたは身近な人が何を考えているかわかりますか?他人の心の中なんて心理学者だって全てがわからない。親のこと旦那さんや奥さんのこと子どものことだって全ては分かりようがない。でもみんなそうやって生きてる。なのに殺人犯のことになるとその心理を理解しないとなぜ落ち着かないんですか?」
「それはあなたみたいな理由で人を殺されるとみんな不安だから。それを取り除いてあげるのが私の役目」
「そうですか?不安なのはあなた自身だったんじゃないですか?あなたが恐れてるから懸命に私を物語にしようとした。理解できる結末なんて現実の世界には存在しないんですよ」
そんな中、晶は興信所から写真を受け取る。
旦那は隣の家の奥さんと不倫をしていた。
「話せば長くなるんだけどさ、もともとお隣の奥さん。精神的に揺れてるところがあってね」
微笑む夫。
微笑む顔がどこか仁藤に似ていた。
「どうして今まで気がつかなかったんだろう。この人とあの人の微笑みは似てる」
晶は夫を刺し殺してしまう。
仁藤は刑務官から晶が夫を殺して逮捕されたことを聞く。
しかし仁藤は驚かない。
「あまり驚きません。人間ですからね、そういうことがあってもおかしくないんじゃ無いでしょうか」
【人は他人のことをわかっているつもりで本当は何一つわかっていない】
すれ違う仁藤と晶。
「笑顔の方がいいですよ、その方が魅力的です」
仁藤が晶に囁く。
【わかったときには事は起きてしまっている】
スポンサードサーチ
ドラマスペシャル「微笑む人」感想・考察
モヤッとした終わり方だったなぁ(´・ω・`)
結局、仁藤の殺害動機は分からず終い。
こういうドラマこそ見る側の質が問われるんですかね。
ハッキリさせて終わってくれた方が視聴者もスッキリできる。
しかし現実世界では仁藤の言うように分からないことの方が多い。
殺人犯の殺害動機なんてまさにそれ。
「他人の心の中なんて心理学者だって全てはわからない。親のこと旦那さんや奥さんのこと子どものことだって全ては分かりようがない。でもみんなそうやって生きてる。なのに殺人犯のことになるとその心理を理解しないとなぜ落ち着かないんですか?」
これは視聴者の胸に直接問われているかのような言葉だった。
どんな殺害動機でも殺人犯の気持ちなんて理解できたもんではないんだけど、サイコパスな理由よりかはそれらしき殺害動機があったほうが安心するのは事実。
「本の置き場所が欲しかったから」という理由より「嫁が不倫をしていて殺害した」って方が理解できるのは確かです。
晶は仁藤がそれなりの殺害動機を持って犯行に及んだことを期待をして取材を行っていたわけですね・・・。
しかし取材をしていくうちに彼のサイコパスさはどんどん明るみになっていき、晶は彼がサイコパスに目覚めた原点にたどり着いた・・・と思ったらそれすら間違った情報で、晶も視聴者ももう何が何だか分からず終い。
そんで最終的には晶の旦那の不倫が発覚して、晶は旦那を刺殺して物語は終わる。
何このカオス状態(΄◉◞౪◟◉`)
でもドラマのテーマ的にはこの上ない最高のラストだったね。
人の考えていることは分かりようがないってことなので、あえて彼らが考えていることは想像しない。
けど、晶は殺人犯・仁藤に飲まれて頭がおかしくなった説が濃厚かとw
あんなのを理解しようとしたらそりゃあ正気を保てなくなるよ。

(画像出典 https://www.tv-asahi.co.jp/hohoemu/#/?category=drama)
個人的満足度 100点満点中80点
ってことで、考えさせられる内容でとってもおもしろかったです。
火サス系を想像していたけど、めちゃくちゃ深い話だった。
「三度目の殺人」とか好きな人ならハマれる内容だと思う。
ドラマスペシャル「微笑む人」を見たのでネタバレと感想を書く。
スッキリしない終わり方で余韻の残る話だった。
松坂桃李くんの演技がうますぎて余計に迷宮入り(´・ω・`)