山P主演で「金曜ドラマ」枠にて2019年4月12日スタートする『インハンド』の原作漫画を読んだので感想を書きます。
寄生虫学者が主人公の医療ミステリーということで、ちょっと難しい話が多いですが分かりやすく解説してくれるので楽しんで読めました。(でもまあ説明文は多い)
伝染病や人体売買にバイオテロなど読み応えのある話が盛りだくさんでした😌
テーマ的にも深いモノが多くて考えさせられた😭
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漫画『インハンド』
朱戸アオによる医療ミステリー漫画。
現在『イブニングKC』にて連載中である。『月刊アフタヌーン』にて、2013年3月号から8月号まで連載された『ネメシスの杖』、2016年5月号から7月号まで短期集中連載された『インハンド 紐倉博士とまじめな右腕』の続編にあたる。
右手が義手になっている寄生虫専門の科学者が助手と女性官僚とともに、誰もが驚く科学的な方法で難事件を解決していくストーリー。
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既刊コミックどれから読めばいいの?
「ドラマ始まるしインハンドの漫画読みたい!」と思ったわたし。
種類がたくさんあってびっくりした。
「ネメシスの杖!?紐倉博士とまじめな右腕!?どれから読めばいいの?」
と言った感じなので読み方を説明しておきます。
2019年4月時点での既刊コミックは
- 『ネメシスの杖』全1巻
- 『インハンド 紐倉博士とまじめな右腕』全1巻
- 『インハンド プロローグI ネメシスの杖』
- 『インハンド プロローグII ガニュメデスの杯、他』
- 『インハンド』既刊1巻
がある。
通販サイトなどを見てもらうと分かるが『ネメシスの杖』『インハンド 紐倉博士とまじめな右腕』は品切れ状態である。
しかし心配ありません。こちらの2巻を再収録した『インハンド プロローグI ネメシスの杖』『インハンド プロローグII ガニュメデスの杯、他』があるので大丈夫!
ということでインハンドシリーズの読み方を説明する。
- 『インハンド プロローグI ネメシスの杖』
- 『インハンド プロローグII ガニュメデスの杯、他』
- 『インハンド』1巻
という順番で読むことをオススメします。
いきなり『インハンド』1巻から読んでも理解できますが、プロローグも面白いので是非読んでほしい。
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登場人物
個人的な解説付き(あくまで個人の意見です)で気になった登場人物を紹介しておく。
※ネタバレ含みます。
紐倉 哲(ひもくら てつ)
右腕がロボットハンドの義手である寄生虫学者。
とにかく変わり者でドS。高家に対してはとくにひどい。
開発したかゆみ止めの薬で莫大な資産を築き、現在は箱根の潰れた植物園を買い取って研究所としている。
専門は寄生虫だが、医学に留まらない様々な分野に精通した知識を持っている。
自分が興味を惹かれない案件には関わろうとしないが、一端関わると法や倫理を無視するファンキーな行動を平気で取る。
高家 春馬(たかいえ はるま)
元医者。
従姉妹で幼馴染の花森明鈴をTARSコロナウイルスで亡くしたところへ現れた紐倉を出会い、スカウトされ彼の助手へ。
給料がいいから助手をやっていると言いつつ、なんだかんだいいコンビ。
紐倉の嘘によく騙される善良な心の持ち主。
牧野 巴(まきの ともえ)
内閣情報調査室健康危機管理部門に所属。
紐倉をアドバイザーとしてことあるごとに依頼しにやってくる。
阿里玲(あさと れい)
『ネメシスの杖』の主人公。
厚労省・患者安全委員会の調査官。
ジャーガス病について調べている際に紐倉のもとへ依頼に来る。
真面目で正義感が強い。ちょっと高家に似ていた。
雪村潤月(ゆきむら うづき)
インハンド1巻から登場。
紐倉宅で料理人として住み込みで働くことになる。
高家から「横走出身なんだね いろいろ大変だったでしょう」と言われ「いえ もう全部忘れました」と答えていることや「帰る場所はないんだから」というセリフから過去に何かあった様子。
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あらすじ
天才寄生虫学者・紐倉哲と、その助手・高家春馬が、医療を巡る事件に挑む、博覧強記のミステリー。
地球上から根絶されたはずの伝染病・天然痘を疑われる患者が、東京都内で発生!?
感染経路をたどるうち、二人はこれがただのアウトブレイクではなく、人為的なウイルス散布=バイオテロであるとの証拠を掴んだ。
犯人の正体は?そしてその意外な目的とは!?(インハンド1巻末引用)
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漫画『インハンド』感想・考察。
それでは『インハンド』で気になったエピソードの感想と考察を書いていく。
読破後の感想になるので未読の方はネタバレに注意してください。
感染症を使った復讐劇『ネメシスの杖』
紐倉と患者安全委員会の調査官・阿里玲がジャーガス病に挑む『ネメシスの杖』
阿里は台田総合病院で起きた医療事故を、南米で猛威を振るう伝染病・ジャーガス病ではないかと疑うが、病院の医師たちや患者の遺族でさえ調査の中止を求め、厚労省の上からも隠蔽の命が下った。不審に思った阿里は寄生虫専門家である紐倉に依頼にやって来るーー。というところから話は始まります。
ジャーガス病で亡くなった患者は16年前に発売した「チクチクジュース」というジュースに含まれている成分によってジャーガス食害事件を起こした問題会社の社長であった。
同じ頃、台田総合病院の医者から「以前にも”ジャーガス病”を名乗る患者が数人いた」という告発を受ける。その患者の共通点は16年前のジャーガス食害事件に関わる人物たちだった。
阿里と紐倉は、ジャーガス食害事件で被害者側の弁護を担当した弁護士事務所の資料から江里口新という人物に辿り着いた。
江里口の娘は「チクチクジュース」を飲んだことが原因でジャーガス病の症状を発症。それが原因で学校でいじめを受け自殺。だが、ジャーガス病だとは認められなかった。
江里口は娘を失ったショックで、事件の関係者と”何もしなかった”隠蔽を行なった人物を、同じ目にあわせることにしたのだ。つまりこれは江里口の復讐だった。
こんな感じで、企業の悪が暴かれた後にも二転三転して面白い内容でした。
ストーリー的にも読み応えがあったし、読んでいて感情移入できる人物が多かったです。
主役の阿里と紐倉はもちろんのこと、犯人で復讐者である江里口にも同情と感情移入できるだけのバックグラウンドがありました😭
死んだ娘と歳の近い阿里を見て「あんたがうちに来たとき あんたは本当に正義の味方に見えた…だからあんたには分かってほしいんだ」と言った江里口。
この言葉を聞いて阿里は涙を流し、復讐を終えたら自首すると言う江里口を逃します。
そして「どちらが正しいんでしょうか?私と江里口さんと」と悩み、紐倉に相談。
紐倉は「両方ともそこそこ正しいんじゃない?」と答えます。
この答えのないような質問に、そこそこ完璧な回答をした紐倉には感動でした。
そして、最後の1人に復讐しようとしていた江里口を阿里は止めることに成功して、事件は解決しました。
最後に江里口は阿里に「私を止めてくれてありがとう」とお礼を言います。
このシーンは涙なしでは読めなかった‥‥‥。悲しい復讐者には弱いんです😭😭😭😭
あと、台田総合病院の告発者である医者の松山も魅力的な人物で、告発して病院をクビになっても自分の信念を貫き通そうとする姿勢はハゲてる中年オヤジなのにイケメンに見えた。
ミステリー的にもヒューマンストーリーとしても面白いエピソードでした\(^o^)/
漫画『インハンド』の中で1番好きなエピソード。
ディオニュソスの冠
紐倉と、助手となる高家が出会うエピソードです。
高家は、TARSコロナウイルスに感染して死亡した従姉妹・花森明鈴を検査しようとしていた紐倉と鉢合わせる。
紐倉はTARSを日本に持ち込んだ第一号者”患者ゼロ”を探していると言う。次第に紐倉の”患者ゼロ”探しに付き合わされる事になった高家。
“患者ゼロ”は相田光一という大学講師をしていた男。花森明鈴とも関わりがあった。
相田光一は特殊体質であり他人に感染症をうつしやすいスーパースプレッダーだった。つまり自走式人間兵器。
紐倉と高家は相田光一を隔離しようとするが、なんと彼は死んでいた。
相田の周りの人間がTARSに感染していくことから、彼が働く大学内でTARSは「相田のせいだ」という噂が立った。
噂を聞きつけた飯田智樹は、TARSで死んだ恋人の仇を取るため、相田を階段から突き落とした。
こうして、TARSの研究材料となるはずだったスーパースプレッダー・相田光一の死で事件は幕を閉じた。
こんな感じの内容だった。
しかし紐倉にとっては大きな収穫が。
この時出会った高家が助手になります。
高家は花森明鈴が死んだことでショックを受け、相田光一を殺した飯田智樹のことを「あいつは俺だ」と、彼が殺らなければ自分が殺していた旨の発言をしています。
そんな落ち込んでいる高家に紐倉は
「センメルヴェイスは150年以上前に医者の手洗いが産褥熱を予防することを発見したが 学会で認められず精神病院に入れられて死んだ でも僕らは手を洗う ジェンナーが天然痘のワクチンを発明したのは1796年だが世界から天然痘を根絶するにはそれから181年かかった 我々がいい治療を受けて健康に生きているのは過去の患者やその死体を過去の研究者が研究したからだろう 僕らもそうすればいい もっと遠くを見ろ 100年後か 200年後か 誰も無力じゃないぞ」
と声をかけます。
高家はこの言葉に心打たれたのもあって助手の仕事を引き受けたんじゃないかなーと思ってます。
じゃないとファンキーで自分勝手で人使いの荒い紐倉の助手になんてならない。でも高給なら考えるかも😂
紐倉の右腕が義手である理由
どうして紐倉の右腕はロボットハンドの義手なのでしょう‥?
阿里に腕を亡くした理由を聞かれた紐倉は
「友達が天国に持っていったんだ いや‥あいつは人を殺したんだから行ったのは地獄かな‥」
と答えています。
このことから人殺しの友人に腕を切られて、その友人はもう死んでいる、ということになりますね。
紐倉は寄生虫学者なので海外で研究をしたこともあるでしょうし、戦争のある国かもしれないですね🤔
日本での事件だと、人殺しで友人の腕まで切断って‥あまりに怖いし🙄
んーーー。気になるけど全くわからない。
漫画『インハンド』を読んでのまとめ
『インハンド』を読んだ満足度を書いておく。
満足度 ★★★☆☆(星5つ中3つ)
面白かったのですが、エピソードによってアタリハズレがあったイメージ。
『インハンド プロローグI ネメシスの杖』だけなら星5つつけますが、ほかのエピソードではそこまで心が動かなかった‥
あと、感染症だとか隔離だとか似た話も多かった。紐倉の専門が寄生虫学なので仕方ないんでしょうけどね🙄
読み応えあることは間違いないし、ドラマ化もされるほどの人気マンガなので、人にオススメできる作品ではあります😌
医療ミステリーがお好きな方なら間違いなくハマるでしょう。