映画【友罪】のネタバレあり感想・考察。元ネタは酒鬼薔薇聖斗なのか?「心を許した友は、あの友人Aだった」衝撃のテーマの映画!

 

 

「心を許した友は、あの友人Aだった」

という衝撃のテーマが印象的な映画【友罪】。

 

今回は映画【友罪】のネタバレあり感想・考察を書いていこうと思いますー。

 

 

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映画【友罪】とは?

監督は「アントキノイノチ」「64-ロクヨン- 前編/後編」「ストレイヤーズ・クロニクル」「8年越しの花嫁」などの瀬々敬久
「天使のナイフ」や「刑事・夏目信人シリーズ」などで知らレル薬丸岳原作の『友罪』

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生田斗真と瑛太のダブル主演で話題に。興行収入は3.2億円。

 

 

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スタッフ・キャスト

原作 – 薬丸岳『友罪』(集英社文庫刊)
監督・脚本 – 瀬々敬久
音楽 – 半野喜弘

キャスト
益田純一 – 生田斗真
鈴木秀人 / 青柳健太郎 – 瑛太
藤沢美代子 – 夏帆
杉本清美 – 山本美月
白石弥生 – 富田靖子
清水 – 奥野瑛太
内海 – 飯田芳
川島社長 – 小市慢太郎
村上院長 – 矢島健一
バーテン 小杉 – 青木崇高
唐木達也 – 忍成修吾
山内智子 – 西田尚美
飯島武士 – 村上淳
飯島麻奈美 – 片岡礼子
山内正人 – 石田法嗣
千尋 – 北浦愛
桜井さちこ – 坂井真紀
須藤編集長 – 古舘寛治
白石唯 – 蒔田彩珠
タクシー会社事務員 – 宇野祥平
岸上 – 大西信満
篠塚朝子 – 渡辺真起子
篠塚 – 光石研(特別出演)
山内修司 – 佐藤浩市

 

 

 

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映画【友罪】のあらすじ

 

益田純一(生田斗真)はジャーナリストを目指していたが、人の命よりも金になる記事の方が大事だと言う上司と揉め、出版社を辞めることに。

寮付きの町工場で働くことにした益田は、同じ日に入社し、同じ年の鈴木秀人(瑛太)と出会う。
鈴木は無口で陰気で社内では浮いていたが、毎晩隣の部屋からうなされている鈴木を心配したことや、仕事中の事故で鈴木に助けられたことがきっかけとなり、益田と鈴木は距離を縮めていく。

ある日、元恋人で元同僚の杉本清美 (山本美月)から頼まれた益田は、17年前の児童殺人事件を調べることになった。その事件を調べるうちに犯人である【元少年A】が鈴木ではないのか、と疑い始めることになるー。

 

 

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映画【友罪】感想・考察

「64-ロクヨン-」が面白かったので同監督と聞いて期待して見た【友罪】ですが、わたし的評価は微妙‥。

登場人物の心情が分かりにくく、話のテンポの悪さが目立ちました。

益田が鈴木を疑いながらも信じたいと思い葛藤するシーンをもう少し濃く書いて欲しかったです。

 

益田と鈴木のバックグラウンドの描き方が雑

この映画のメインは、益田と鈴木の友情。

ですが益田・鈴木共にの心に抱えている闇の描き方が雑。

2時間という短い時間に話をまとめなくてはいけないのに、その他の登場人物に重点を当てすぎだと思いました。

全てを収集しきれていない上に、メインテーマの二人の心情の書き方も下手。

佐藤浩市演じるタクシー運転手のエピソードなど省いてよかったのではないかと思いましたね…。

 

こんなに重いテーマを扱っているんだから「心を許した友は、あの友人Aだった」というメインの2人の話に重点を置いて欲しかったです。

 

「少年A」のモデル

映画を見ていて気になったのが「これって、酒鬼薔薇聖斗のことじゃね?」ということ。

わたしの小さい頃の事件なので今の高校生や大学生は詳しくない事件だとは思いますが、
本作【友罪】での元少年A(鈴木秀人=青柳健太郎)は、1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の犯人がモデルになっているのではないかと思われます。

 

本作での少年A(青柳健太郎)と、神戸連続児童殺傷事件の酒鬼薔薇聖斗には

  1. 少年時代の犯行
  2. 殺人行為に性的興奮を覚える
  3. 少年院での出来事

という共通点があり、似ていると思うには充分な要素になります。

 

わたしは少年犯罪に興味を持っていた時期があり、少年A矯正2500日全記録など読んだことがあるので神戸連続児童殺傷事件については少々詳しく、余計に「似ている」と感じました。

原作の薬丸岳さんは【友罪】はフィクションでありモデルはないとおっしゃっていますが、似ている点が多々あるので少なからず「神戸連続児童殺傷事件」の影響は受けているのではないかと思います。

 

生田斗真と瑛太の演技はいい

役者の皆さんの演技はすごいと思う場面が多かったので、演出や脚本の出来の悪さには余計にがっかりしました。

特に瑛太さんの「元少年A」の演技は素晴らしかったです。

サイコパスと思いきや真っ当に生きようと努力している風などうまく演じられてると思いました。

変わり者で陰気で、見るようによってはサイコパス。
とても感情移入できそうにない『少年A』ですが、瑛太さんがそんな狂気に垣間見る【人間らしさ】を出してくれたおかげで鈴木くんにも情を入れて映画を見ることができました。

夏帆演じる美代子と関わることによって人間らしさも増したような気がするし、美代子と関わり変わっていく鈴木の様子は見ものでした。

 

【友罪】の考察

益田は過去に、友人がいじめられて自殺。彼を助けられなかった(助けようとしなかった)自分を責めて生きてきました。
その友人と鈴木が似ている、とも言っていました。

 

益田はその友人と鈴木を重ね、鈴木と友達となったことで彼を助けたいとも思っていた。

 

鈴木は掴み所がなく何を考えているかわからない人物。
サイコパスのように見えるが、美代子が元彼の唐木達也(忍成修吾)に嫌がらせを受け、過去に出演したAVを寮のポストに投函。
清水と内海が美代子の出演しているAVを鑑賞していると、キレてテレビをぶち割るなど、気性は激しいが人間らしい感情は持っている様子。

 

好きな相手が悲しむことを阻止したり、好きな相手が落ち込んでいるところに駆けつけたり、美代子と関わることで鈴木は変わったと思います。

 

また、益田が仕事中に指を切り落とす事故を落とした際も、素早く益田の指を拾って氷につけ、益田の指がくっつく様に尽力した。

そのことに益田は感謝してお礼を言うが、鈴木は「益田くんは僕が死んだら悲しいって言ってくれたから」と。

 

鈴木には自分が死んで悲しんでくれるような友達は今までいなかった。

このことから鈴木が益田のことを友人と思っていることがわかる。

 

益田は、鈴木が【少年A】と分かり驚き、葛藤する。

鈴木が姿を消してからも、自身のブログに鈴木へのメッセージを残すなど、鈴木を【少年A】とわかってからも友人と思っている様子だった。

 

このように【友罪】は友情の話である。

 

怪我をした際に救ってくれた恩人でもあり、昔救えなかった友人に似ている鈴木を友人だと思う益田。
自分が死んだら悲しいと言ってくれた益田を大切な友人だと言う鈴木。

 

この映画は、友達が【少年A】とわかっても友人でいれるのか、ということをテーマにしていますが、ラストシーンでやっと、二人は本当の友人になったのではないかと思います。

 

 

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まとめ

せっかくいい題材を使ってるのに、あまりに残念な出来でがっかりした映画でしたが、見る人によっては面白いのかもしれないのでぜひ見てみてください。

 

生田斗真・瑛太・夏帆の演技はさすがと思えたし、見どころもいくつかあります。

益田や美代子と関わることで鈴木が変化していく様子が1番見どころがあったかな。

 

まあ、そんな感じの映画で総評価は60点くらいの出来でした。この映画が好きな人すみません。